社殿
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社殿 神明造り(しんめいづくり) |
向拝(こうはい)拝殿(はいでん)幣殿(へいでん)本殿(ほんでん)から成る。 |
装飾品のご案内
御社殿
御神鏡
鏡は、その神秘感から剣や玉とともに古代より宗教的な意味を持つ祭祀用具として扱われ、三種の神器の八咫鏡(やたのかがみ)に代表されるように、御霊代や御神体として崇められてきました。八咫鏡は、天孫降臨の際に天照大御神(あまてらすおおみかみ)が瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)に授けた神器のうちの一つで、天照大御神はこの八咫鏡について「吾が児、此の宝鏡を視まさむこと、まさに吾を視るがごとくすべし」との神勅をくだされています。これは、「神さまのお姿は目に見えないが、この鏡を神さま自身と思って見よ」という意味で、物理的な視力で見るのではなく、心眼をしかと見開いて見よ、ということです。
御幣
修祓(祭典に先立ち行われる、罪穢れを祓い除く行事)の際に使われる祓戸(祓いを行う場所)に設置されている、祓戸大神が宿られる依代(よりしろ)です。祓戸大神とは、諸説があるのですが一般的には、瀬織津比咩(せおりつひめ)、速開都比咩(はやあきつひめ)、気吹戸主(いぶきどぬし)、速佐須良比咩(はやさすらひめ)の四柱の神々を指すことが多いようです。
大麻
祭典や神事に参列する人々や、神様に捧げられる物などを祓う際に使われる、最も代用的な祓いの具で、祓串ともいいます。祓いの対象となる人や物に向かって、左右左と振ってお祓いをします。
玉串
榊の枝に麻や紙垂を付けたもので、神職や参拝者が神前に拝礼するときに捧げられます。玉串の語義や由来については諸説がありますが、もともとは神霊の依代であったとする説が有力です。玉串奉奠(玉串を神様に捧げること)は、玉串に自分の心をのせて神様に捧げるという意味が込められており、一般には、根本を神様に向けて捧げます。なお、北海道や東北地方では榊を産しなかったため、イチイ(オンコ)を玉串として用いている神社が多いです。
神楽鈴
鈴を十二個結んで柄を付けたもので、巫女が神楽を舞う際に用いますが、初宮参りや七五三参りの子供たちに対し、祓いの具として神職が用いることもあります。
太鼓
祭典や神事を執り行う際、また執り治める際に、打ち鳴らします。
真榊
台付きの榊に五色絹を垂らし玉、鏡、剣を吊した威儀具(御祭神の威儀を示す物)です。真榊は二体で一対となっており、向かって右側の真榊には玉と鏡が、左側の真榊には剣が吊されます。
鉾
六尺程の黒塗の柄の先に一尺五寸程の金色の鉾先を付け、一尺程の錦の比礼(ひれ)を吊し、木枠の台に立てて飾る威儀具です。
楯
古くより鉾とともに用いられてきた威儀具で、表面には金色の巴紋が付されています。裏面に取っ手の付いた持楯と、裏面に支木の付いた据楯の二種がありますが、社殿で威儀具として用いられるのは据楯です。
四神旛
四神とは四方の神、すなわち東の青龍(せいりゅう)、西の白虎(びゃっこ)、南の朱雀(すざく)、北の玄武(げんぶ)をいい、この四神を描いた四つの仗旗(じょうき)を四神旗といいます。昔、朝廷では、元旦朝賀・即位礼などの際には折りに威儀をととのえるため、大極殿や紫宸殿の庭に四神旗を立てていましたが、御社殿などに飾る場合は、青龍は東北(春・朝を表す)に、朱雀は東南(夏・正午を表す)に、白虎は南西(秋・午後を表す)に、玄武は北西(冬・夜を表す)に立てます。
平成20年奉製
四神像
四神とは四方の神、すなわち東の青龍(せいりゅう)、西の白虎(びゃっこ)、南の朱雀(すざく)、北の玄武(げんぶ)をいい、一列に並べるときは、社殿に向かって右から、青龍、朱雀、白虎、玄武の順に、正中をあけて並べます。
日月旛
錦で日像、月像をあしらい、表裏とも錦でつくられた一対の旛で、朝廷では古くより標識や儀飾として使用してきました。文武天皇以降は儀飾として、元日・即位の礼に鳥型、日像、月像、四神旗等の旗を用いられ、また平安時代以降は、公家も一族の旗として用いるようになり、武家時代には武家も戦陣用として日月旛を用いました。神社では、祭場、社頭の装飾に用いられています。
釣燈籠
社殿の内部で灯を献ずるための金属製の籠です。当社では御神前(御扉の前)に吊されていますが、本殿周りに回廊が設置されているお社では、回廊の天井に並べて吊されていることが多いです。釣燈籠や、屋外に設置されている石造りの燈籠は、主として氏子や崇敬者の寄進によって設置されることが多く、寄進者の名・住所・職種などが刻まれており、その神社に対する崇敬の歴史を物語るものとなっています。
雪洞(ぼんぼり)
御神前にて灯を灯す照明(みあかし)の用具で、灯火を紙で覆ったものですが、最近は電灯を入れたものが多くなってきています。
三方
祭祀の際に神饌を載せる器具で、通常、神饌は三方の上に載せられて神様に献上されます。三方は折敷の下に台が付いた形で、その台の三方に穴が開いていることからこの名が起こったとされています。三方は檜の白木で作られることが多いですが、なかには黒や朱に塗られた三方もあります。
大角
折敷の一種ですが、足付きで縦横八寸の方形のものを特に大角といいます。神饌を供する際に使うこともありますが、一般には、幣帛や目録などを載せる際に使われることが多いようです。神社本庁の神社祭式行事作法規定では、本庁からの各神社に対する幣帛は、大角に載せて捧げることになっています。
折敷
檜(ひのき)などの薄板で作った方形の盆で、神饌や幣帛を神様に供える際に用いられます。今日では三方の一部となっていることが多く、その場合は、三方の台の上の部分を形成しています。
円座
祭典や神事の際に殿上にて用いられる円形状の敷物で、座礼にて執り行われる祭典などで、斎主、祭員、伶人の自座として用いられます。
軾(ひざつき)
御神前にて用いられる敷物の一種で、一般には、一畳の畳表を裏合わせにし、両表面の広縁をつけた三尺角の形状となっています。縁を前後とし、折目を上位にして敷きます。もともとは、宮中における行事などで庭において跪いて座するときに用いられていたのですが、のちに殿内での敷物となり、神社祭式にも取り入れられるようになりました。
胡床(こしょう)
祭典や神事の際に用いられる白布・白木の座席用具(椅子)で、立礼にて執り行われる祭典において斎主や祭員の自座として、また、一般参列者の座席として用いられます。
薦(こも)
祭典や神事の際に用いられる、まこもを糸で編んだ敷物のことで、通常、この上には神饌案や玉串案などを置きます。
案
祭典や神事の際に、幣帛、神饌、玉串などを乗せる机状の台で、それぞれ幣帛案、神饌案、玉串案などと呼ばれます。大きさや形状にはいくつかの種類がありますが、今日では、左右の足が四つずつの八足のものが最も一般的で、これを八足案、八脚案などといいます。
御簾
神社においては、本殿、幣殿、拝殿、社務所、授与所に至るまで各社殿の装飾に用いられている、外部より内部を見えないように屏障するための竹を編んだ帳です。上鴨居の壺金具または折釘に、蛭鉤にて表面を外側に向けて掛けます。
壁代
本殿、幣殿、拝殿等の内側周囲に、神聖な場所の意を表すために掛ける、表裏とも白絹を縦に縫い合わせて作った帳です。上鴨居に鋲打等で掛け垂らします。
戸張(とばり)
殿舎入口(当社においては幣殿と拝殿の境)の上鴨居から垂らす幌です。なお、戸張と全く同じ形の幌でも、神門に掛ける帳は特に門帳といいます。
手水
神域に入る者が、手を洗い口を濯いで身を清めるための場所です。伊勢の神宮の五十鈴川のように、古くは境内の湧水や川水などが神拝に先立って身を清めるために利用されていましたが、後に、社頭の入口に手水舎(流水を満たした水盤が置かれている屋根と柱のみの建物)として設置されるようになりました。手水は、一般の参拝者が略式の禊をするための場所といえます。当社には、参道にある手水舎とは別に、拝殿に昇殿する参拝者のための手水が拝殿入口にも設置されています。
絵馬
祈願もしくは報謝のために奉納された馬の絵です。日本では古くから馬は神様の乗り物として神聖視され、祈願や祭りの際に神の降臨を求めて生馬が奉納されましたが、それが次第に簡略化され、今では専ら板に描かれた馬が奉納されるようになりました。
獅子頭
木で刻み作った獅子の頭で、獅子舞に用いられます。獅子舞は、毎年秋の例祭の神幸の際に、五穀豊穣や厄除けを祈願して氏子さんたちにより奉納されます。
幣殿木彫 (獅子・牡丹)
獅子は百獣に君臨する王と言われ、その無敵の獅子でさえ、ただ一つ恐れるものがあります。それは獅子の体の中の虫です。その虫は我が身の体毛の中に寄生し、増殖し、やがて皮を破り肉に食らいつく害虫ですが牡丹の花から滴り落ちる夜露にあたると死んでしまいます。そこで獅子は夜になると牡丹の花の下で休み、獅子と牡丹の組み合わせは、厄除けの意味が有るといわれています。
拝殿木彫(由緒額)
古事記の中で海神の娘である西野神社ご祭神 豊玉姫命〔トヨタマヒメノミコト〕は、穀物神の山幸彦〔ヤマサチヒコ〕と海中で劇的な出合いにより結婚する事から縁結びの神として知られ、出産の際に豊玉姫は産屋の屋根を鵜の羽で葺きますが、全部葺き終わらないうちに産気づき、同じくご祭神 鵜草葺不合命〔ウガヤフキアエズノミコト〕を産み落とす事からお産が軽く安産の神様といわれるようになりました。
拝殿木彫(髄神)
梁木彫
子
丑
寅
卯
辰
巳
午
未
申
酉
戌
亥
参拝の作法
・賽銭箱に賽銭を入れます。
賽銭とは、祈願成就のお礼参りの際に、「報賽(ほうさい)」として神仏に奉った金銭のことをいいました。それが転じて、参拝のときに奉る幣帛(神さまに奉献する物)の代わりとしての金銭を意味するようになりました。つまり、賽銭とは供え物の一種なのです。金銭が流通する以前は、参拝著は(金銭に相当する物として)米を神前に撒いたり、あるいは洗米を紙に包んで奉っていました。今でもその名残(なごり)として、米の代わりに金銭を紙に包み、賽銭箱に入れる人もいます。
・鈴を鳴らします。
鈴には長い綱が付いていて、拝礼するときにその綱を引き、鈴を鳴らします。神前で鈴を鳴らすようになった由来については、一説によると、古来から鈴には魔除の霊力があるとされ、それが転じて、神事のときに鈴を鳴らすようになったようです。巫女(みこ)が神楽舞(かぐらまい)を舞うときに、手にもって鳴らす神楽鈴(小さな鈴を山型に並べた鈴)、その音には神さまをお招きする役割があったそうです。つまり、神前で鳴らす鈴も、この神楽鈴に由来するとされ、神さまを拝礼するにあたり、鈴のその清らかな音色で神さまをお招きし、これから祈願を申し上げるという、一種の合図のような役割を果たしているのです。
・二拝二拍手一拝の作法にて拝礼します。
神さまを拝むとき、両方の手のひらを打ち合わせて鳴らすことを「かしわで」といいます。漢字で拍手、柏手と書きますが、これは拍(はく)の字が「柏(かしわ)」の字と混同されて用いられたことから生じた呼称ともいわれています。拍手については、中国の史書「魏志倭人伝」に倭人の風習として、貴人に対し手を打ってひざまづいて拝礼をしていたことが記されていることから、当時は人にも拍手をしていたことがわかります。神道における拍手も同様に、敬う気持ちの表れといってもよいでしよう。
おまいりの作法も参考にしてみてください。
西野神社で撮影した動画もご覧ください。
玉串拝礼の作法
- 神職から受け取った玉串を胸の高さに持ちます(右手は玉串の根元のほうを上から握り、左手は玉串の中程より少し上を下から添えます)。
- 玉串を持ったまま軽く一礼します。
- 玉串を時計まわりに廻して立て、左手を下げ、祈念を込めます。
- 左手で玉串の根元を時計まわりに廻し、右手は玉串の真下に添えて、玉串を玉串案(台)の上に捧げます。
- 腰を90度に折り曲げて深々と頭を下げ、これを2回繰り返します(二拝)。
- 両手を胸の高さで合わせ、右手を少し引き下げてから2回拍手を打ちます(二拍手)。
- 再び両手の指先を揃えて合わせ、再び祈念を込めます。
- 手を下ろして、再び腰を90度に折り曲げて深々と頭を下げます(一拝)。
- 最後に軽く一礼してから下がります。
西野神社で撮影した動画もご覧ください。