下段
- 神吉日(かみよしにち)
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倭暦だけに見られるもの。吉日。日の干支によって決定される。
乙丑 丁卯 己巳 庚午 壬申 癸酉 丁丑 己卯
壬午 甲申 乙酉 戊子 辛卯 甲午 丙申 丁酉
己亥 庚子 辛丑 癸卯 乙巳 丙午 丁未 戊申
己酉 辛亥 壬子 乙卯 戊午 己未 庚申 辛酉
癸亥
の三十三種の干支に当たる日である。
- 大明日(だいみょうにち)
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中国唐の時代の大明暦を起源とする大吉日。日の干支によって決定される。
戊午 己巳 庚午 辛未 壬申 癸酉 丁丑 己卯
壬午 甲申 丁亥 壬辰 乙未 壬寅 甲辰 乙巳
丙午 丁未 己酉 庚戌 辛亥 丙辰 己未 庚申
辛酉
の二十五種の干支に当たる日である。
- 天恩日(てんおんにち)
- 宝暦暦より記載される吉日。甲子の日より5日間。己卯より5日間。己酉より5日間。
- 天赦日(てんしゃにち)
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極上の大吉日である。節月の季節によって下記の如く配当される。
春(立春~立夏) 戊寅
夏(立夏~立秋) 甲午
秋(立秋~立冬) 戊申
冬(立冬~立春) 甲子
- 歳下食(さいげじき)
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軽い凶日。他の吉日と重なれば忌む要なし。配当は年の十二支と日の干支で決まる。
子の年・・・・・丁丑の日
丑の年・・・・・庚寅の日
寅の年・・・・・丁卯の日
卯の年・・・・・壬辰の日
辰の年・・・・・丁巳の日
巳の年・・・・・丙午の日
午の年・・・・・丁未の日
未の年・・・・・庚申の日
申の年・・・・・丁酉の日
酉の年・・・・・丙戌の日
戌の年・・・・・辛亥の日
亥の年・・・・・庚子の日
- 復日(ふくにち)
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この日吉ことを行えば吉が重なり、凶事の用いれば凶事重なる。婚礼は、再婚に通じ凶。善行を行えば吉。配当は節月と日の十干で決まる。
正、七月 甲、庚(きのえ、かのえ)の日 二、八月 乙、辛(きのと、かのとの)日 三、六、九、十二月 戌、己(つちのえ、つちのと)の日 四、十月 丙、壬(ひのえ、みずのえ)の日 五、十一月 丁、癸(ひのと、みずのと)の日
- 月徳日(つきとくにち)
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吉日。造作、修造、などに吉。下記のように配当される。
節月 正、五、九月 丙(ひのえ)の日 二、六、十月 甲(きのえ)の日 三、七、十一月 壬(みずのえ)の日 四、八、十二月 庚(かのえの)日
- 受死日、黒日(じゅしにち、くろび)
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俗に黒日ともいう。他の暦注に関係なく最高の悪日である。何をしてもいけない日といわれるが、葬送だけはかまわない。下記のように配当される。
節月 正月 ・・・・・・・ 戌の日 2月 ・・・・・・・ 辰の日 3月 ・・・・・・・ 亥の日 4月 ・・・・・・・ 巳の日 5月 ・・・・・・・ 子の日 6月 ・・・・・・・ 午の日 7月 ・・・・・・・ 丑の日 8月 ・・・・・・・ 未の日 9月 ・・・・・・・ 寅の日 10月 ・・・・・・・ 申の日 11月 ・・・・・・・ 卯の日 12月 ・・・・・・・ 酉の日
- 十死日(じゅうしにち)
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受死日に次ぐ悪日とされ、すべてに大悪日。葬送を忌む日である。婚礼も凶。下記のように配当される。
節月 正、四、七、十月 酉の日 二、五、八、十一月 巳の日 三、六、九、十二月 丑の日
- 帰忌日(きこにち)
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帰忌とは、天ボウ星(竜座の頭を作っているβ,γ,ζ,νの四星)の精の意である。その精が天から舞い降りて人家の門の前に居すわり、帰って来る人の邪魔をするという、言い伝えから由来した日。ゆえに、遠くに出かけて帰ってくること、嫁取り、元服、入国などは不吉とされる。日の配当は下記とされる。
節月 正、四、七、十月 丑の日 二、五、八、十一月 寅の日 三、六、九、十二月 子の日
- 天火日(てんかにち、てんかび)
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棟上げ、家屋の修理、屋根葺き等に悪日。火災の難に会うとされる。日の配当は下記である。旧暦月と日の十二支できまる。
旧暦月 正月、5月、9月 ・・・・・ 子の日 2月、6月、10月 ・・・・・ 卯の日 3月、7月、11月 ・・・・・ 午の日 4月、8月、12月 ・・・・・ 酉の日
- 地火日(じかにち、ちかび)
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土工、礎を置くこと、井戸堀り、立柱、種蒔き、築墓、葬送等をしない日とされる。日の配当は下記である。旧暦月と日の十二支できまる。
旧暦月 正月 ・・・・・・・ 巳の日 2月 ・・・・・・・ 午の日 3月 ・・・・・・・ 未の日 4月 ・・・・・・・ 申の日 5月 ・・・・・・・ 酉の日 6月 ・・・・・・・ 戌の日 7月 ・・・・・・・ 亥の日 8月 ・・・・・・・ 子の日 9月 ・・・・・・・ 丑の日 10月 ・・・・・・・ 寅の日 11月 ・・・・・・・ 卯の日 12月 ・・・・・・・ 辰の日
- 母倉日(ぼそうにち)
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吉日。婚姻に大吉、普請、造作は吉といわれる。日の配当は下記とされる。節月と日の十二支できまる。
節月 正、二月 子、亥の日 三、六、九、十二月 巳、午の日 四、五月 寅、卯の日 七、八月 丑、未、辰、戌の日 十、十一月 申、酉の日
- 重日(じゅうにち、じゅうび)
- この日に行ったことは重なって生じるといわれる。吉事は行ってよいが、凶事には使ってはいけないとされる。又、嫁取りは忌む。日の配当は一年を通じて巳、亥の日である。
- 鬼宿日(きしゅくにち、きしゅくび)
- 二十八宿の鬼宿に当たる日である。最上の吉日であるので、特に暦の下段に特記されたものである。「百事を行って、名誉、長寿を得る日」と言われる。
- 凶会日(くえにち、くえび)
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悪事の集まる凶日という意。「仮名暦略注」によれば、「倭暦に注する所の悪日なり、華本(中国暦)にいまだ其名目を考えず、然れども大抵吉事に用うべからず」とある。日の配当は、月ごとの特定干支が当てられている。宣明暦時代には、月は節月であったが、貞享暦以後は暦月となった。下記の如くに配当される。
正月 ・・・・・・・ 辛卯 庚戌 甲寅 2月 ・・・・・・・ 己卯 乙卯 辛酉 3月 ・・・・・・・ 癸亥 甲子 乙丑 丙寅 丁卯 戊辰 壬申
庚辰 甲申 丙申 甲辰 戊申 庚申4月 ・・・・・・・ 戊辰 己巳 辛未 癸未 乙未 己亥 丙午
丁未 丁巳 戊午 己未 癸亥5月 ・・・・・・・ 丙午 壬子 戊午 6月 ・・・・・・・ 己巳 丙午 丁未 癸丑 丁巳 戊午 己未 7月 ・・・・・・・ 乙酉 甲辰 庚申 8月 ・・・・・・・ 己酉 乙卯 辛酉 9月 ・・・・・・・ 丙寅 甲戌 戊寅 庚寅 辛卯 壬辰 癸巳
甲午 乙未 丙申 丁酉 戊戌 壬寅 庚戌
甲寅10月 ・・・・・・・ 乙丑 己巳 丁丑 戊子 己丑 戊戌 己戌
辛丑 壬子 癸丑 丁巳 癸亥11月 ・・・・・・・ 戊子 丙午 壬子 12月 ・・・・・・・ 戊子 丁未 壬子 癸丑 癸亥
- 往亡日(おうもうにち)
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往きて亡ぶの字の如く遠行、出軍等に凶とされ、移転、婚礼も凶。日の配当は節月の何日目として決められる。下記の如くである。
節月 正 二 三 四 五 六 七 八 九 十 十一 十二 日数 7 14 21 8 16 24 9 18 27 10 20 30
- 血忌日(ちいみにち、ちこにち、ちいみび)
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血忌とは梗河星(うしかい座ρ、σ、εの三星)の精の意であり、殺忌、日忌、血忌の三人を表し、殺伐の気をつかさどる。血を見ることに凶日で、形戮(りく)、狩猟、奉公人の雇い入れ、鍼灸などに大凶と言われる。日の配当は下記の如くである。
旧暦日 正 二 三 四 五 六 七 八 九 十 十一 十二 丑 未 寅 申 卯 酉 辰 戌 巳 亥 午 子
- 大禍日(たいかにち)
- 三箇の悪日の一つ。中でも最も悪日と言われ、手斧始め、家の修造、船旅、葬送等をしてはならないと言われる。日の配当は当人の生年によって異なる忌月があり、十二支で決められる。生年が忌月でない人は、悪日とはならないとされる。
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三箇の悪日(さんがのあくじつ)の配当は下記の如くである。
生れ年 寅 卯 辰 巳 午 未 申 酉 戌 亥 子 丑 忌月 正 二 三 四 五 六 七 八 九 十 十一 十二 大禍日(たいかにち) 亥 午 丑 申 卯 戌 巳 子 未 寅 酉 辰 狼藉日(ろうしゃくにち) 子 卯 午 酉 子 卯 午 酉 子 卯 午 酉 滅門日(めつもんにち) 巳 子 未 寅 酉 辰 亥 午 丑 申 卯 戌
- 狼藉日(ろうしゃくにち)
- この日に慎まず、犯すと万事に失敗するといわれる、三箇の悪日の一つ。日の配当は当人の生年によって異なる忌月があり、十二支で決められる。生年が忌月でない人は、悪日とはならないとされる。
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三箇の悪日(さんがのあくじつ)の配当は下記の如くである。
生れ年 寅 卯 辰 巳 午 未 申 酉 戌 亥 子 丑 忌月 正 二 三 四 五 六 七 八 九 十 十一 十二 大禍日(たいかにち) 亥 午 丑 申 卯 戌 巳 子 未 寅 酉 辰 狼藉日(ろうしゃくにち) 子 卯 午 酉 子 卯 午 酉 子 卯 午 酉 滅門日(めつもんにち) 巳 子 未 寅 酉 辰 亥 午 丑 申 卯 戌
- 滅門日(めつもんにち)
- この日に慎まず、犯すと一家・一門を滅ぼすと言われる、三箇の悪日の一つ。日の配当は当人の生年によって異なる忌月があり、十二支で決められる。生年が忌月でない人は、悪日とはならないとされる。
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三箇の悪日(さんがのあくじつ)の配当は下記の如くである。
生れ年 寅 卯 辰 巳 午 未 申 酉 戌 亥 子 丑 忌月 正 二 三 四 五 六 七 八 九 十 十一 十二 大禍日(たいかにち) 亥 午 丑 申 卯 戌 巳 子 未 寅 酉 辰 狼藉日(ろうしゃくにち) 子 卯 午 酉 子 卯 午 酉 子 卯 午 酉 滅門日(めつもんにち) 巳 子 未 寅 酉 辰 亥 午 丑 申 卯 戌
- 時下食(ときげじき)
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下食の時、一刻だけを忌むもので、その日全体のものではない。下食とは天狗星の精が食時のために下界に降りてくることを表し、その精が「下界の食物を吸う」と言われることより忌まれる。「草木の種を植えるのをこの一時はさけるべし」と言われる。日及び時の配当は下記の如くである。
節月 正 二 三 四 五 六 七 八 九 十 十一 十二 日の干支 未 戌 辰 寅 午 子 申 酉 巳 亥 丑 卯 忌む刻 亥 子 丑 寅 卯 辰 巳 午 未 申 酉 戌 (時) 22 24 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20